Urban Night |
もう少し濡れた路面を写したかったのだが、途切れることの無いタイヤに水滴を掬い取られたアスファルトは、既に半分ちかくの滴りをそぎ取られていた。それでもいつもより車のヘッドライトやテールランプを反射した路面は十分に綺麗だった。
夜景の撮影では三脚が必須という常識を、あっさりと覆してしまったNikon D3。
手持ちで撮影できる喜びを感じながら、雨上がりの夜の街を久しぶりに歩いた。
ここは外苑前。仕事帰りにこのあたりを歩くことはほとんど無い。いつもは仕事が終わると真っ直ぐに地下鉄の入り口へ向かう。
しかし今日は最近あらためて知った濡れた路面の輝きを求め、しばしこの辺りを歩くことにしたのだ。
話は変わるが夜景撮影はマニュアル露出に限る。
もちろん絞り優先のAEモードで上手く取れることもあるが、D3はその高感度特性ゆえ、自分が期待しているよりも、はるかに明るく写ってしまうことのほうが多い。
私は数ショット撮影してから、その日の自分好みの絞りとシャッタースピードの組み合わせを決めて固定する。こうすることによって、複数のショット間でバランスが取れた明るさになる。暗いところは暗めに、明るいところはそれなりに明るく。
昼間は冴えない店も、夜になると怪しい光を放ちながら道行く人々を誘い込む。
おっと、危ない。今日は撮影のために来たんだ。
そろそろ俺の喉の乾きも限界になってきたようだ。
今日はこの辺で帰るとするか。