「たたき きゅうりのたれ」ってどうよ |
それでも無理やりハードボイルドに書いてみたい(^^)
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男の手に握られていたのは最新鋭の調味料「たたき きゅうりのたれ」。 (←既にこの段階で無理がある)
日頃から酒の肴には無頓着な男であったが、さすがに毎日「柿の種」や「金山時味噌」では物足りなかったのだろう。
連れ合いの買い物に付き合った時にスーパーで見つけた小さなボトル。
なぜか俺を呼んでいるような気がして手にとってみた。 (←単に気のせいだと思うが)
ふむ...。
しばし考え込んでいたが、意を決したように男は静かに「たたき きゅうりのたれ」をカートの買い物カゴに放り込んでつぶやいた。
「これなら簡単そうだ」 (←ヲイヲイ、それだけかい)
寝る前の静かなひと時。いつもなら真っ先に焼酎のボトルとグラスを取り出すのだが、男は何時もとは違った行動に出た。
なんと冷蔵庫からきゅうりを一本取り出し、静かに水洗いを始めたのだ。 (←普通は洗うぜ)
男は黙ったまま、すりこぎ棒を使ってきゅうりを叩き出した。
もちろん力の加減は心得ている。 (←あたりまえだろ。夜中に強く叩いたら近所迷惑だ)
ここで無理やり叩き潰しては、後々後悔することはもちろん、大事な食材をここで無駄にすることはできないのだ。
しばし自分の叩いたきゅうりの出来具合に感心して見入っていたが、ハっと我に返る。 ...時間が無い。
ちぎらなけらば。 (←オマエ、何考えてんだ)
あとはナイフ(包丁)を使わず、手でちぎって小鉢に入れるのだが、気をつけなければイケナイのは、小鉢の大きさだ。
大きすぎると見た目が悪くなり酒の肴としての品格に掛ける。
もちろん小さすぎれば溢れてきゅうりがこぼれ落ちてしまうからだ。
幸い、男の選んだ小鉢は最適だったようだ。
あとは「たたき きゅうりのたれ」をかけてまぜれば良い。
おっと、大事なことを忘れていた。
「たたき きゅうりのたれ」は掛けすぎると辛くなってしまうので、きゅうり2本あたり、おおさじ一杯なのだ。
今夜はきゅうり一本だから、おおさじ半分程度にしておかないと後で痛い目に合うだろ。
危ないところだった。 (←どこがアブナイんだか)
どれ、旨そうに出来上がったようだ。
今回は自慢のナイフ(包丁)の出番は無かったが、手でちぎったおかげでタレがきゅうりにイイ具合に絡んでいる。
さて、これで用意は全て完了した。後はコイツで呑むだけだ。 (←お疲れさん)
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やっぱり、このネタでハードボイルドに決めるのは無理がありましたね(笑)
あ、味は悪くなかったです。
ほとんど普通の中華ドレッシングの味でした(笑)